生態系や人の暮らしを脅かす侵略的外来種を巡り、政府が貿易相手国と協力し侵入防止を図る国際枠組み策定を検討していることが8日、環境省関係者の話で分かった。なかでもヒアリをはじめ、意図せず持ち込まれる小さな昆虫などは港や空港などの水際対策だけでは限界があり「出どころ」の対応に力を入れる。まず先進7カ国(G7)として取るべき行動をまとめ、それを踏まえ各国と国際枠組み構築へ議論を始めたい考えだ。
侵略的外来種は、外来種のうち地域の自然環境に大きな影響を与えるものを指し、現在は主に各国の国内法で対応している。例えばヒアリはまん延する国を経由した貨物コンテナなどに入り込んで国内に侵入するが、輸出国に駆除する責務はない。日本側で到着時に実施する調査や駆除だけでは抜本的対策にならず、侵入が多ければすり抜けるリスクも増す。
政府は当面、国際枠組みを念頭にG7で議論を進め、11月に東京で開くワークショップで各国が取るべき行動をまとめる。輸出前のコンテナ内の消毒や確認の強化などが想定される。