雑食性外来魚「チョウセンブナ」岐阜県内ため池で初確認 絶滅危惧の水生昆虫へ影響懸念

 中国大陸や朝鮮半島に分布する外来魚チョウセンブナが、岐阜県内のため池で見つかった。県内では初確認。雑食性のため、生態系への影響を指摘する論文を水生昆虫研究者で発見者の上手雄貴さん(45)、奈美さん夫妻(47)=岐阜市=らが11日、湿地生物の論文集伊豆沼・内沼研究報告(電子版)で発表した。

 えらぶたの濃青の斑紋が特徴のゴクラクギョ科の淡水魚。上手さんは昨年12月、県内の木曽川に近い農業用ため池で、たもを使って体長3~4センチの十数匹を採取した。池には環境省のレッドリストで絶滅危惧2類の水生昆虫が生息しており、「どの程度の影響があるのか。水位が上がれば拡散する可能性もある」と心配する。

 チョウセンブナは大正期に観賞魚として持ち込まれ、東北から四国にかけて一部で定着したが、近年は多くの地域で消滅。2000年以降の報告例は愛知県など4都県にとどまる一方、闘魚と呼ばれる高い攻撃性や美しいヒレの姿が一部の愛好者に人気がある。

 愛知・岐阜いずれかの木曽川流域でも約60年前に報告があるが、県内での明確な確認例はなかった。共同で論文を執筆した淡水魚研究者の内田大貴さん(28)=埼玉県川口市=は、「かつて移入したものが定着したか、個体を増やすため愛好者らが新たに放流した可能性も考えられる」と指摘。ブラックバスのような高い侵略性はないとされるが、拡散防止のため対策の必要性を訴えた。

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