きれいでも持ち帰らないで! 特定外来「オオキンケイギク」の分布広がる、和歌山・田辺周辺

 外来生物法で栽培や運搬などが禁止されている特定外来生物のオオキンケイギク(キク科)が、和歌山県田辺市やその周辺で分布を広げている。環境省田辺管理官事務所は「きれいだからといって絶対に持ち帰らないで」と呼びかけている。

 田辺市稲成町、高雄大橋下手の会津川河川敷では、黄色い花畑のようになっている。県自然環境研究会の土永知子さん=田辺市秋津町=によると、同地のオオキンケイギクは昨年に比べて2倍以上に増えているという。

 市内の道路沿いや河川沿いにも多く生えている。草刈りの際、きれいだからとわざと残す場合があり、刈り取ってもそのまま放置すれば、しばらくは腐らず、種子が成熟して結果的に拡散させてしまう恐れがあると警鐘を鳴らす。

 管理官事務所では、広く周知してもらうため、会津川近くの町内会の回覧板に注意喚起のチラシを入れてもらっている。「刈り取ったオオキンケイギクは、ごみ袋に入れて回収しなければ効果がない。地域で除草する場合、分からないことがあれば相談してほしい」と話している。

 オオキンケイギク 北アメリカ原産。高さ30~70センチになり、直径5~7センチの黄色い花を5~7月に咲かせる。花びらの形は変異がある。日本へは1880年代に観賞用や緑化用として導入された。かつては道路のり面の緑化などで盛んに利用された。2006年に特定外来生物に指定。在来植物への影響が大きく、国の緊急対策外来種に分類されている。

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