沖縄県、生態系への被害防止へ 重点対策種にノヤギとヤエヤママドボタルを追加

 沖縄県自然保護課は5日までに、県対策外来種リストを更新し、駆除などの優先順位が高い「重点対策種」にノヤギとヤエヤママドボタル(別名オオシママドボタル)を追加したと発表した。ノヤギは西表島などで野生化して生息数を増やし、固有植物の減少や生態系の崩れが危惧されている。県は今後、策定した防除計画に基づき、捕獲や拡散防止策で生態系への被害の防止に努める。「重点対策種」は全17種となった。

 家畜のヤギが野生化したノヤギは、沖縄本島北部や西表島などに生息。ナンヨウリュウビンタイなどの植物への食害被害が確認されており、植生破壊に伴う陸域生態系や土壌流出による海洋生態系に著しく影響を及ぼすとして、「対策種」から「重点対策種」に変更された。

 今後、わなや銃器を使って捕獲し、根絶や低密度化を目指す。また、目撃情報の収集や県民に捕獲へ向けた協力を呼びかける啓発活動、捕獲手法の改良などにも取り組む。

 ヤエヤママドボタルはホタル科マドボタル亜科に属し、八重山諸島に自然分布する県内最大級のホタル。2003年に本島南部で確認され、その後徐々に分布域を拡大している。オキナワヤマタカマイマイ類などの希少な陸産貝類に深刻な影響を与えている可能性が高いとして、「重点対策種」に指定された。

 幼虫や卵が植栽木などに紛れて本島に持ち込まれたと考えられており、県は取り扱う業者に周知徹底を図る。生息地域では発光する光を目印に目視で探索したり、トラップを設置するなどして捕獲していく。(社会部・普久原茜)

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