11月、まるで芝生のようになっていた熊本市の加勢川。原因は外来植物の大量繁殖だった。国が除去作業を進めていたが、現在はどうなっているのだろうか。その後を取材した。
これは11月22日の緑川と加勢川との合流地点の状況だ。緑色の外来植物「ボタンウキクサ」、通称「ウォーターレタス」が辺り一面を覆いつくしていた。11月15日から国による除去作業が行われていたが、5日に同じ場所を訪れてみると…。
■KKT有川雄汰記者 「国の除去作業開始から20日が過ぎました。川本来の姿に戻りつつあります」
辺り一面緑だった景色から一変、川の水面が見えるように。ウォーターレタスがまだ少し残っているものの、約7万5000㎡もの除去を終えた。
■国土交通省緑川下流出張所・永谷恵一所長 「水温が下がると水草も枯れていくので大きな影響が懸念されなければ今の状況でとりあえず様子を見る」
これにて一件落着、かと思いきや…。
■KKT有川雄汰記者 「除去を終えた現場から上流へ10キロほどの場所に来ました。大量のウォーターレタスが浮かんでいます」
川の上流の方にウォーターレタスで埋め尽くされている場所が…。加勢川の国が管理する区域では、3か所に水草の流出を防ぐフェンスが設置されていて、ここは最も上流の地点だ。
■国土交通省緑川下流出張所・永谷恵一所長 「約3万5000㎡の量があるので、今年は現在予定するだけでも27万㎡という膨大な量になるので、例年と比べても3倍を超える量に既になっている」
2022年は通常の3倍を超える量の除去が見込まれているウォーターレタス。国は、5日から上流部分の除去を始め、12月9日までの完了を目指している。
毎年のように大量繁殖するウォーターレタス。江津湖や嘉島町の浮島池など冬でも水温の高い場所があることが、繁殖が繰り返される原因の1つとして考えられるという。
■国土交通省緑川下流出張所・永谷恵一所長 「(水温が高いと)生息している外来水草が冬を越して、春先になって暖かくなってくるとそれがまた増えて下流側に流れてきて増えてくるというようなサイクルを繰り返している」
生態系にも影響を及ぼしかねないウォーターレタス。浮島池では12月8日、国や県など約50人体制でウォーターレタスの除去作業が行われる予定だ。