川が緑一色…大量繁殖で生態系に影響の恐れ【熊本】

 辺り一面「緑のじゅうたん」を敷き詰めたようなような場所。ある植物が大量繁殖し生態系やノリの養殖にも影響が出るかもしれない。22日、熊本市南区の河川敷を訪れてみると…

■KKT有川雄汰記者 「ありました。川が辺り一面緑色に染まっています」  水面を埋め尽くす緑色の物体。正体は「ボタンウキクサ」。通称「ウォーターレタス」と呼ばれる外来の植物だ。

■国土交通省 緑川下流出張所・永谷恵一所長 「私が今まで見てきている中でこれだけ繁茂しているのは記憶にないので、例年に比べて非常に大量になっていると思います」

 ここは熊本市南区の緑川と加勢川が合流する場所。市民に身近な場所で大量に繁殖したウォーターレタス。一体どこからやってきたのか。

■国土交通省 緑川下流出張所・永谷恵一所長 「加勢川の上流に江津湖という湖があって、そちらで繁殖したものが加勢川を下って加勢川内のいたるところで増えているのではないかと考えているところです」

 現場から約15キロ離れた熊本市東区の江津湖。現地を取材するとウォーターレタスがぷかぷか浮きながら下流方面に流れていた。 江津湖では毎年のように繁殖し定期的にボランティアによる除去作業が行われている。秋になると大きく成長し、すくい上げるのにも一苦労だ。こうして水面を覆うことで、ある影響が…

■緑川下流出張所・永谷恵一所長 「日光が川の中に入らないので河川の生態系に影響を与える可能性があります」

 さらに冬になると枯れるものの、底でヘドロ化して水質悪化にもつながるという。加勢川の下流にひろがる有明海。この海でノリの養殖を行う地元の漁協から心配の声が…。

■川口漁協・藤森隆美組合長 「今は何もないからいいけど、海に流れてきたときにはどうしようかと不安」

 ウォーターレタスが海に流れついた場合、種付けを終えたばかりのノリに大きな被害が出るのではと不安を募らせている。

■川口漁協・藤森隆美組合長 「今から海苔が伸びてくるしウォーターレタスがそのまま流れてきて絡んでしまったら海苔の網に擦れて取れてしまう問題だけではなく、そのまま流れてきたら海苔を育てている施設が壊れてしまう」

 今後、国交省に対しウォーターレタスの除去に使う機械を1台増やしてもらうなど対策を求めるという。一方、加勢川を管理する国は11月15日に除去作業を開始。取材した場所では、ウォーターレタスが繁殖している7万5000平方メートルのうち除去を終えたのはまだ2割ほどだという。

 国によると今後、加勢川だけで取り除く量は例年の4倍になるおそれも。

■国土交通省 緑川下流出張所・永谷恵一所長 「皆さんの安全安心のために努力して迅速な対応・撤去をしていきたいと思っているところです」

 川を埋め尽くす大量のウォーターレタス。国は11月末までに除去作業の完了を目指している。

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