アライグマ捕獲6年連続400匹超 和歌山県の旧田辺市地域

 農作物などに大きな被害を出している外来哺乳類アライグマの2021年度の捕獲数(交通事故含む)が、和歌山県の旧田辺市で474匹。過去最多だった前年度より100匹以上減らしたが、6年連続で400匹を超え、依然、生息数は高い水準で推移しているという。

 捕獲数は、市農業振興課と田辺市ふるさと自然公園センターの鈴木和男さんが連携して調べている。

 旧田辺市でのアライグマの捕獲は02年度(67匹)から始まった。その後、増減を繰り返しながらおおむね150匹前後で推移していたが、15年度に299匹を記録すると16年度には426匹に激増。20年度には633匹を数えた。

 一方、旧町村別(田辺市内)の21年度の捕獲数は、大塔が23匹で最も多く、次いで龍神22匹、中辺路17匹、本宮3匹となっている。

 鈴木さんによると、アライグマは生まれた翌年から繁殖できるようになるという。「年間400匹以上捕獲しても生息数がなかなか減らないのはそれを埋め合わせる出生数をもたらす繁殖雌の存在がある。生息数を減らすには雌の捕獲が重要」と指摘している。

■アライグマ  北米原産。体長60センチ、体重は10キロまで。手先が器用で、目の周りが黒く、尾のしま模様が特徴。1970年代に放送されたアライグマを主役にしたテレビアニメの人気が出ると、ペットとしての輸入が急増。その後、捨てたり、逃げ出したりした個体が野生化し、農作物や生活環境へ被害を及ぼしている。2005年に特定外来生物に指定された。

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