ゆでると栗のような素朴な味わいが楽しめる「ヒシ」。 クリークと呼ばれる水路一面に自生するヒシは、佐賀県神埼市の特産だが、ここ数年でヒシがほぼ全滅。外来種のカメや大雨が原因ではないかとみられている。
不作続き…実の収穫はゼロに
この時期、ヒシはクリークで栽培され、ハンギーと呼ばれる「たらい」に乗って収穫する風景が見られた。
しかし、ここ数年は不作が続き行われていない。
神埼市農政水産課分室 大石厚志係長: 外来生物の影響じゃないかと思っています。県に持っていけば処分してくれるが、なにせ捕獲する人がいない。困ったことです
大石さんによると、外来種のミシシッピアカミミガメなどが茎を食いちぎっていることや、近年の大雨災害で種が流されたことが原因ではないかという。
このため2021年は、クリークで自生するヒシの実の収穫量はゼロになった。
神埼市農政水産課分室 大石厚志係長: さみしい…昔の水面いっぱいにヒシがある景色に慣れているから
人工栽培で安定生産 休耕田を利用
昔はおやつ代わりとして親しまれていたこともあり、ヒシの実の皮を使った菓子やお茶も販売されている。
この原料はどこから確保しているのか?
神埼市農政水産課分室 大石厚志係長: これがヒシの実です。まだ小さいですが、10月になれば4~5cmくらいの大きさになって収穫できる
ヒシの安定生産を目指す神埼和菱組合は、10年ほど前に休耕田を利用して人工的な栽培を始めた。
2022年は7軒の農家が、25アール程の水田で育てている。
神埼和菱組合 本村宜行組合長: クリークがそういう状態なので、最小限の水田で確保しようと
市内のクリーク一面にヒシが自生するように、水田栽培に力を入れている。
神埼市農政水産課分室 大石厚志係長: 水田でも作っているので、そこから種を採ってクリークに蒔けるようになれば
水田で栽培しているヒシの実は、12月ごろに収穫される。 (サガテレビ)