日本にいないはずのチョウザメ、なぜか琵琶湖の定置網に…観賞用を無断放流か

 滋賀県立琵琶湖博物館は9日、大津市沖の琵琶湖でチョウザメが定置網にかかったと発表した。琵琶湖にチョウザメは生息しておらず、同館は、飼い主が観賞用を放流した可能性が高いとみている。

 同館によると、6日午前、大津市北部沖の琵琶湖で、地元漁師が小型定置網を引き揚げたところ、体長約1メートルのチョウザメを発見。捕獲し、同館に連絡した。

 雌雄は不明だが、成魚とみられ、うろこやひれの形から「ベステルチョウザメ」の可能性があるという。同館は保護し、今後、粘液から採取したDNAを分析し、種類を特定する。

 チョウザメはロシアや北米などの主に淡水域に生息する。かつて北海道の石狩川などにも遡上(そじょう)したが、今は日本の川や湖に野生のチョウザメはいないとされる。歯がなく、人を襲う恐れは低いという。ベステルチョウザメは、高級食材「キャビア」を採取するために養殖され、観賞魚としても飼われている。

 琵琶湖では過去にもチョウザメが捕獲されたことがあるという。担当者は「飼育されていたものだろう。責任を持って飼い続けてほしい」と呼びかけている。

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