沖縄の天然記念物を狙うマングース 駆除にAI わな周辺の画像2万枚の仕分け 自動化で所要3日→1時間半に

 沖縄セルラー電話(那覇市、菅隆志社長)は30日、IoTや人工知能(AI)による画像解析技術を活用して、マングースの生態調査や捕獲効率を上げるシステムを構築したと発表した。わなで捕殺したマングースの捕殺・駆除記録の測定に使われる。4~6月中には、県環境部によるマングース対策事業に導入される予定。

 IoTを活用した環境保全活動「おきなわ自然保護プロジェクト」の第2弾。

 県は自然環境保護のため、本島北部で外来種のマングースの駆除事業を実施している。わな周辺に自動撮影カメラを設置し、捕殺状況を記録。これまでは月に1回SDカードを回収し、撮影された約2万枚の画像を、目視でマングースが写っているか確認する仕分けが必要だった。

 セルラーが開発したシステムでは、撮影された画像が自動でクラウドサーバーへ送信され保存される。さらにAIが、写真にマングースが写っているかを判別し、フォルダごとに仕分け。ユーザーにその結果を知らせる仕組みだ。

 2万枚の仕分けに約3日かかっていた時間がAIでは1時間半で済み、およそ94%の省力化につながるという。

 この技術は、今後ヤンバルクイナやイリオモテヤマネコなどの生態調査やオーバーツーリズム対策として人流分析にも応用できる期待がある。

 県の島袋直樹世界自然遺産推進室長は「省力化で本来のマングース捕獲作業の時間に充てることができる」と喜ぶ。セルラーの菅社長は「沖縄は自然環境が一番の財産。今後も環境保全を中心に社会貢献の取り組みを進めたい」と話した。(政経部・川野百合子)

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