大型肉食魚のトラウトコッドを密輸した疑い 販売業者を書類送検

 生態系に影響を与える恐れがあるとして輸入が制限されている「未判定外来生物」の大型肉食魚「トラウトコッド」を密輸したとして、警視庁生活環境課は28日、観賞魚の輸入販売会社「エル商会」(愛知県弥富市)と同社専務取締役の男性(38)=横浜市、同社元社員の男性(36)=同=を特定外来生物被害防止法(輸入の制限)違反などの疑いで書類送検した。観賞用として1匹当たり1700円で仕入れ、同9800円で計約70匹を全国のペットショップに販売していたとみて調べる。

 書類送検容疑は3月17日ごろ、中国から成田空港(千葉県)に到着したトラウトコッドの幼魚120匹について、中国政府が発行した別の大型肉食魚「マーレーコッド」の証明書を税関に提出するなどして虚偽申告し、輸入したとしている。2人は容疑を認め、輸入担当だった元社員は「新型コロナウイルスの影響で売り上げが伸び悩み、希少性が高いので高く売れると思った」と供述しているという。

 生活環境課によると、3月24日に同業者から「違法な魚が売られている」と同課に情報提供があり、捜査を開始。同課は4月、エル商会の倉庫など関係先から約100匹の死んだ幼魚を発見した。

 トラウトコッドはオーストラリアなどに生息する淡水魚で、小魚やエビなどを主食にしており、成魚は最大で体長80センチ程度、体重15キロ程度まで成長することもあるという。【柿崎誠】

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