水面が緑一色「外来生物」オオフサモの除去着手 数年で急速に繁茂、庭園風景を一変

 明石公園(兵庫県明石市)の乙女池で、特定外来生物「オオフサモ」の除去作業が進められている。ここ数年で水面を覆い尽くすほど急速に繁茂し、庭園風景を一変させていた。エビやヤゴのすみかを奪うなど生態系にも影響を及ぼしており、重機を使った大がかりな駆除大作戦を展開する。(有冨晴貴)


 オオフサモは南米原産の多年生の植物。日本では観賞魚向けの水草として流通するなどし、定着したとみられる。温暖な気候を好み、枯れずに越冬する。
 明石公園を管理する県園芸・公園協会によると、2018年に乙女池で初めて確認された。担当者は「水深30センチほどの浅い池の環境が、生育に適していたのでは」と分析。植物の切れ端からでも再生するほどの繁殖力を持つため、オオフサモがどこから来たのかは不明という。
 乙女池では約2年で約1千平方メートルの水面を緑一色に覆うほどまでに繁茂。ヤゴやエビなど以前は同池で見られた生物が、密集するオオフサモによってすみかを追われ、姿を消したという。同池がある「武蔵の庭園」の眺めを一変させる脅威を目の当たりにし、初めて一斉駆除に踏み切った。
 乙女池では連休明けの6日から作業を開始。ショベルカーで密生したオオフサモを陸地に引き上げ、さらに池の底土や壁面に張り付いた根に高圧の水を噴射して引きはがしている。水路でつながった隣接する池にオオフサモが移らないように、仕切りを立てるなどの対策をしている。
 同協会は「このまま野放しにすると、生態系が破壊され、明石公園の景観が失われてしまう。今後もほかのため池でも観察を続け、繁殖の食い止めを図っていきたい」としている。除去作業は29日まで続く予定。
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