厄介な外来種「メリケントキンソウ」繁殖 トゲ刺さり危険 徳之島

 【徳之島】繁殖力が強く、トゲが刺さってけがをするおそれのある厄介な外来種の「メリケントキンソウ」。徳之島地区自然保護協議会やNPO法人徳之島虹の会関係者は、同島内の公園芝地などへの繁殖拡大を確認。「奄美群島内では認知されてない可能性があり、注意が必要」と呼び掛けている。


 「メリケントキンソウ」とは南米原産のキク科の一年草の外来種。草丈は5〜10センチで地面をはうように繁殖する。一般的には秋ごろに発芽し、4〜5月ごろ結実して果実には約2ミリのトゲが。枯れるとより硬く鋭くなり、人の肌などに刺さってけがをさせることも。
 徳之島自然保護協の美延治郷(おさむ)会長によると、島内の中学教諭の指摘で、昨年から目につくようになり、短期間で繁殖が拡大したという。徳之島町健康の森運動公園をはじめ島内3町の総合運動公園、野球場などの芝生植栽地に混在。「県本土では侵略的外来種にも指定され、繁殖力が非常に強く、早急な周知や対策が必要」と訴えた。
 今月10日、徳之島町の同公園で、地元の高校生らを交えた同外来種の駆除作業と勉強会を予定したが、新型コロナウイルス対策の休園により中止した。
 「メリケントキンソウ」は日本では1930年代に和歌山県で発見された。鹿児島県への侵入時期は不明だが各地で生育を確認。県当局もホームページを通じ、抜き取りや刈り払いなど駆除方法も紹介。「トゲを出す5〜6月ごろは特に危険。芝生や草むらには、直接座らない、手をつかない、裸足で歩かない」など注意を呼び掛けている。
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