「エキゾチックペット」にご用心:95%が「規制強化を」

 国連が定める「世界野生生物の日」である3月3日、WWF(世界自然保護基金)ジャパン(東京・港)は、「エキゾチックペット」の飼育に対し、95%が規制強化を求めているとの調査結果を発表した。カワウソ、ハリネズミ、フクロウのほか、希少なカメやトカゲ、カメレオン、カエルなどの動物がメディアを通じて人気を集め、一般家庭やカフェ施設での飼育を目的に売買されている。だが、感染症リスクや絶滅危惧の問題を抱えていることはあまり知られていない。(オルタナ副編集長=吉田広子)


 WWFジャパンが発表した報告書「エキゾチックペットに関する日本の意識調査2021」によると、3人に1人(33%)が「エキゾチックペットに触れてみたい」、6人に1人(17%)が「飼ってみたい」と回答した。特に10〜30代の若い世代での人気が高いという。
 エキゾチックペットの問題点は大きく5つある。
 1つ目は「感染症」で、エキゾチックペットには、動物から人に感染する病気(動物由来感染症)のリスクがあり、新型コロナウイルスも動物由来感染症のひとつだ。
 2つ目は「動物福祉(アニマルウェルフェア)」。エキゾチックペットの中には、一般家庭やカフェなどの施設での飼育に適さない動物もいて、精神的・肉体的に大きなストレスを受けている。
 3つ目は「絶滅危惧種」。エキゾチックペットの中には、絶滅のおそれのある動物が多く含まれ、ペット取引によって、野生での存続が脅かされている種もある。
 4つ目は「密輸」で、日本に向けたエキゾチックペットの密輸が毎年発覚している。日本に持ち込まれた密輸動物がペット市場で流通していることも分かっているという。
 5つ目は「外来種」。エキゾチックペットが逃げ出したり、遺棄されたりすることで、生態系を脅かす事例が多く確認されている。
 こうした問題について、68%が「よく知らない」「全く知らない」と回答したが、情報提供した結果、95%が「問題だと思う」「やや問題だと思う」と回答した。さらに95%が「規制強化が必要だと思う」「やや必要だと思う」と答えている。
 WWFジャパンは、「特に若い世代に多い潜在消費者は、知識を得ても飼育意向を変えない傾向が見られた。日本のエキゾチックペット利用に関わる問題を解決するためには、適切な規制を早期に導入する政策努力に加えて、一般への広い普及啓発による社会規範の醸成、さらに潜在消費者にターゲットを絞った行動変容と事業者側の改善が欠かせない」と報告している。
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