雨が降った時に地面から川の中へと流れ込むミミズが、河川下流にくらすニホンウナギの大切な餌資源になっていることを、米メリーランド大の板倉光・日本学術振興会海外特別研究員や東京大や神戸大などのチームが報告した。陸と川のつながりが、ウナギの命を育む重要な要素であることが示された。
チームは、利根川の下流で3年間にわたって筒状のわなで554匹を捕獲し、何を餌にしていたかを調べた。すると、淡水にすむ体長40センチ以下のウナギは、餌の68〜93%が、陸から流れ込んだとみられるミミズだった。もっと大きなウナギはテナガエビやアメリカザリガニ、モクズガニといった甲殻類を多く食べていた。全体では、この水域のウナギの餌の50%ほどをミミズのような陸の生き物が占めていると推定された。
ウナギがミミズを食べるのは、春から秋の降雨後2日以内に集中。特に大雨の後は食べる量が急増していた。板倉さんは「雨が降って地表に出てきたミミズが川に流され、ウナギは長期にわたって餌にできるようだ。魚やエビなどに比べて動きが遅く、食べやすいのだろう」と考えている。
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