栗林公園、閉園後にバス釣る職員 外来種駆除に苦心

 高松市の栗林公園で、多くの生き物が産卵や子育ての季節を迎えている。同様に数を増やしているのが、ブラックバスやライギョといった外来種だ。在来種を食べてしまうため、職員は対応に苦心している。


 7月初め、閉園して客がいなくなった池に職員4人が集まってきた。次々に釣り糸を垂らす。狙いはブラックバス。この日は50匹ほどが釣れた。
 フナなどを食べ、1年間で1千匹以上も捕獲されたこともある。網で捕らえるのは難しいが、一般客の釣りは禁止しているため、閉園後にルアーで釣る。
 公園観光事務所の宮崎智嗣・造園課長(56)は「姿は見えるのに、食いついてこないこともある。その時はお手上げ」と言う。
 別の日、来園者から「ライギョを見かけた」と事務所に連絡があった。長靴を履き、網を手に池に急ぐ職員たち。だが、スイレンやハスに紛れ、見つからなかった。「近づいただけで逃げる。水の中のスピードはかなわない」と宮崎課長。空振りが多いらしい。
 ライギョはカムルチーとも呼ばれ、長さは約60センチ、太さはビール瓶ほどだ。茶色のまだら模様がある。今は数百匹の稚魚を連れていることも。園ではフナやモロコなどを食べ、年に10匹余りを捕まえている。
 園では2018年、コイヘルペスウイルス病が発生。全てのコイを捕獲・処分した。作業で池の水位を落とすと、ライギョ16匹やブラックバス138匹も見つかった。だが、その後に再び増えたという。
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