誰か放流?市役所内の水路でメダカ繁殖の謎 ヒメダカやシロメダカなどの改良種20匹

 長浜市役所(滋賀県長浜市八幡東町)の庁舎西側水路にメダカが生息している。旧市街地の水路をモチーフにデザインされた人工水路が、ビオトープのようになっている。水草の間を泳ぐメダカを観賞する子どもたちの姿も見られ、「癒やされる」と職員や市民の目を楽しませている。


 2014年に完成した新庁舎には、琵琶湖や竹生島を表現した中庭の池や、旧市街地を流れる米川などをイメージした水路に湧き水を活用しており、親水性を考慮したデザインが特徴となっている。
 水路を管理する市総務課などによると、庁舎の地下には伊吹山の伏流水があり、井戸から水槽に引いているという。完成当時には水路に比較的大きな水生植物を設置したが、生き物はいなかった。19年夏ごろから、メダカやカワニナの姿を見るようになったという。
 淡水魚の生態に詳しい近江淡水生物研究所(長浜市)代表の向田直人さんが確認したところ、野生のメダカではなく、ヒメダカやシロメダカなどの改良種で、赤色や白色、淡い青色の個体が約20匹いた。誰かが放したと考えられるという。
 向田さんは「プランクトンもおり、ヤゴなどの水生昆虫もいそうだ。流れが緩やかで底にも砂利や植物も適度にあり、メダカが生息するには理想的な環境。水が凍らなければ、メダカは越冬できるだろう」と話す。市総務課職員は「設計の狙い通り、庁舎が来庁者や市民の憩いの場になっているようだ」と喜んでいる。
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