産卵期を控え、動きが活発になるブラックバスを文字通り一網打尽にしようと、刺し網を用いた捕獲作業が、宮城県登米市の長沼で行われている。
長沼漁協が県などの支援で実施。3月中旬から、沼西部の浅瀬に網を仕掛け、連日のように水揚げを行っている。暖かい日には、多い日で80匹が掛かった。
朝方、数隻の小舟を出し、前日までに仕掛けた網を確かめる。目の大きな網を使っているため、掛かるのはブラックバスの30センチ前後の成魚だけ。1匹で7万個ともいわれる産卵直前の卵を抱えたメスの姿も目立った。
組合員の星実さん(63)=登米市迫町=は「思ったより捕れるので驚いた。作業も大変」と語った。産卵期を過ぎると、網に掛かりにくくなるため、捕獲は間もなく終わる。
長沼では10年ほど前からブラックバスが増え始め、ヌマエビやワカサギの不漁に関係していると考えられている。
ブラックバスは白身魚で、フライや空揚げなどに調理すれば意外にも美味だが、需要は皆無に等しく、魚は焼却処分される。
(河北新報)