2005年04月05日

BASS CITGOバスマスターツアー第6戦 初日から最終日までの経過

 1月に開幕した今季バスマスターツアーは、3月30日から4月3日にかけて開催された第6戦を持って今シーズンの幕を閉じた。BASSのツアーがたった3ヶ月で終わってしまっては、なにか拍子抜けの感じもあるが、この過密なスケジュールも2006年シーズンからは改正される。来季についてはまた別の機会に触れるとして、ここでは2005年シーズン最終戦ミズーリ州テーブルロック・レイク大会を振り返ってみたい。

 昨シーズン、バスマスターツアーは3年ぶりにテーブルロックへと帰ってきた。ツアーレベルの大会で使用されたのは、昨年がはじめて。それまではインビテーショナル戦(現セントラルオープン戦)が開催された程度だった。2004年度ツアー第3戦となったテーブルロック大会は、3月4-7日の日程で行なわれた。水温が上がりきらず、バスはショアから離れたエリアでサスペンドしていたため、多数のアングラーが苦戦を強いられた。中には上流部に向かい、シャローのグラスにフリッピングといったテーブルロックでは特殊なメソッドで上位に入賞した者もいたが、タフな一戦であるのは間違いなかった。
 テーブルロック・レイクはオザーク山地の真ん中を流れるホワイト・リバーを堰き止めたマウンテン・リザーバーで、上流部にはFLW TOUR第4戦が開催されるアーカンソー州ビーバー・レイクが横たわる。岩肌を剥き出しにしたクリフやロック、スタンディング・ティンバー、ボートドックが主なストラクチャーで、ザリガニやスレッドフィンシャッドがメインのベイトフィッシュである。水質はクリアで、今年は昨年に比べさらにクリアになっているという。
 またテーブルロックのフィッシュリミットは15inで、これはこの湖に生息する3種のバス(ラージマウス、スモールマウス、スポッツ)に適応される。バスのストック量は多く、バスを釣るのはそれほど難しくないと言われているが、15in以上のバスを釣るのは極端に難しい。つまり、いかにこのフィッシュリミットを克服するかが、大会で上位に食い込む最大要因になると謳われている。

 トーナメント初日、AOYラインキング4位タイにつけていたスキート・リースを含む27名がノーフィッシュで帰着。リミットメイカーも24名と、予想以上にタフな幕開けとなった。トップに立ったのはミズーリ州のクリア・ウォーター・レイクに精通し、同州在住のディオン・ヒブドンで23Lb5ozをウエイイン。2位には昨年の勢いを取り戻すべくグレッグ・ハックニーがつけ、4位にケビン・バンダム、6位にステイシー・キングと上位入賞常連選手が名を連ねた。
 年間順位1位のマーティー・ストーンが22位、年間2位のマイケル・アイコネリが77位、年間3位のエドウィン・エバースが60位、年間4位タイのテリー・スクローギンスが19位、年間6位のアーロン・マーテンスが24位と、AOYレースが混戦とさせる初日となった。
 2日め、バンダムが首位に躍り出ると、1Lb11oz差でアーロン・マーテンスが2位に浮上。決勝に進出する12名のアングラーの中で、年間順位のトップ6で残留できたのはマーテンスのみ。ストーンが僅か6oz差で13位に終わったため、AOY争いはマーテンスの結果次第となった。ポイント換算の結果、マーテンスが4位以上でフィニッシュすれば、彼の初AOY奪取が決定する。
 また予選を6位で通過したデビッド・ワロック(写真左)は、大会最終日を迎える前にToyotaルーキーオブザイヤーを獲得した。


 こうなってくると、第6戦で誰が優勝するのかより、AOYレースに俄然注目が集まる。アーロン・マーテンスが受けたプレッシャーはただならぬものだっただろう。決勝初日は2尾で3Lb15ozのみのウエイインとなった。しかしなんとか踏ん張ったマーテンスは、6位で最終日に進出。彼がAOYを獲得するには4位以上で大会を終える必要があるが、この日の4位(ピート・ポンズ)とは2Lb14oz差。1尾のビッグフィッシュで順位が入れ替わる射程距離内だけに、各アングラーの最終日の活躍に期待が高まった。
 またこの日の首位は、14Lb13ozをウエイインしたグレッグ・ハックニーで、トータルを47Lb9ozに伸ばす。2位にはKVDが47Lb7ozと2oz差に迫る勢いでハックニーを追いかけた。
 
  最終日、スーパーシックスによる競技が行なわれた。第6戦の優勝争いはハックニーとKVDの一騎打ち……のはずだったが、ハックニーが5尾で10Lbをウエイインする傍ら、KVDはノーフィッシュで帰着。ハックニーが待望のバスマスターツアー初優勝を成し遂げた。ハックニーはフィネスワーム(ストライクキング社3Xフィネスワーム4in ウォーターメロンカラー)、クランクベイト、ジャークベイトを駆使し、全体的にウエイトにバラツキがあるなか、彼は初日から安定したウエイトを持ち帰り優勝へと結びつけた。
  この日の最重量をウエイインしたのは、なにを隠そうアーロン・マーテンスだった。棚からぼた餅でAOYを奪冠するのではなく、自らが猛チャージをしかけてAOY争奪に出た。その結果、マーテンスは今戦を2位でフィニッシュし、見事AOYを獲得した。
 
 
 アーロン・マーテンスは今大会でクランクベイトがキーになったというが、彼が用いたのはストーム社のウィグルワート。試合中、このルアーが無くなりかけていたため、彼はブレント・チャップマンから数個のウィグルワートをレンタルしてもらっていた。チャップマンからは「試合後、ちゃんと返してくれよ」と言われたとか。ただし大会終了後のコメントでは、現在では生産中止になったクランクベイトも使用したと語っている。これがスゴい威力らしく、「みんなが気づく前に買い貯めしたい」と述べている。

Posted by DODGE at 2005年04月05日 13:09 in 海外トーナメント:BASS

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