松本城お堀・小魚の正体を信大生調査 多くはモツゴの可能性 長野県松本市

 国宝松本城(長野県松本市)のお堀にたくさんいる小魚の正体は―。信州大学(本部・松本市旭3)の講義「生物学実験」を受ける学生たちが今年、お堀に生息する小型淡水魚・モツゴの調査を進めている。担当する信大理学部特任助教で社会基盤研究所の中野繭さんは「コイの“赤ちゃん”だと思っている人が多いけれど実はモツゴかもしれない」と言う。

 中野さんによると、モツゴは元々、西日本に分布していたが、コイなどの放流の際に全国に拡散した。松本市内にいるモツゴは、西日本などから持ち込まれた「国内外来種」と考えられるという。

 調査は、地域に生息する身近な生物から遺伝子を調べる手法を習得するのが目的だ。採集の許可を受けた上で実施しており、1日は理学部の学生6人が松本城のお堀を訪れ、モツゴを採集した。網をお堀の水の中に20分ほど沈めて引き上げると、黒門近くでは5匹、埋橋付近では152匹が捕れた。

 1年生の曽根雄一さん(18)は「モツゴのことは初めて知った。松本城での実習は新鮮で楽しい」と話していた。ハゼの仲間の魚なども一緒に捕れ、学生たちは「なんだか顔が違う」などと話しながらモツゴとの違いなどを観察した。

 中野さんによると、松本城のお堀には1970年代には生息していた記録があるが詳細は不明だ。学生は今後、モツゴの細胞の核を抽出して個体ごとの遺伝子型を調べる。お堀にいるモツゴは他の生き物に対する目立った害はないというが、中野さんは「学生たちに松本城のお堀を身近に感じてもらいつつ、生息する生き物の遺伝的な変異や、多様性があることを学んで関心を持ってもらえたら」と願っていた。

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