外来種との交雑が問題になっている鴨川(京都市)のオオサンショウウオについて、個体数の変化を推計した結果、交雑化によって在来種はほぼ絶滅状態にあり、交雑個体も世代交代が進んでいることが、滋賀県立大や京都大などの研究で分かった。オオサンショウウオは生息の実態に不明な点が多く、研究結果は外来種や交雑個体の管理に必要な基礎情報になるとしている。
研究グループは、京大や京都市などが2005〜21年に鴨川で行った134回の調査データを基に、夜行性で発見が困難なオオサンショウウオの個体群動態を推定するための統計モデルを構築。特別天然記念物の在来種▽中国産の外来種▽雑種第1代▽雑種第2代以降-の4グループに分けて個体数の変化を解析した。
この結果、05年時点で全体の7割と最多だった雑種第1代が、21年では6%に減少。代わって当初は比較的少なかった雑種第2代以降が、21年には推定2800匹以上と93%を占めるまでに急増した。
在来種については05年に100〜300匹と推定されたが、21年の推定中央値は4・5匹(0・1%)で「絶滅寸前」、純粋な外来種も31匹と、ほぼ見られない状況という。
オオサンショウウオを巡っては、24年に外来種のチュウゴクオオサンショウウオや交雑種が特定外来生物に指定された。
分析を担当した滋賀県立大環境科学部の高倉耕一教授(昆虫生態学)は「数千の交雑種がいることが分かり、従来の手法ではとても防除はできない」と指摘。京都市文化財保護課の担当者は「長期にわたって全体の個体数が分かるのは初めて。対策を考える上で重要なデータになる」としている。
