なんだか多いなあ…。2024年、愛媛県の関係者がため息を漏らしたものがありました。特定外来生物に指定されているセアカゴケグモです。実は去年、愛媛県内ではセアカゴケグモの新規確認地点数が29地点に上り、例年と比べて極端な増え方をしたのです。なぜでしょうか? 関係者に原因を聞きました。(中井有人)
■四国にはかまれた事例も
セアカゴケグモは元々、熱帯地方などに分布するクモで毒を持っています。かまれると針で刺されたような痛みを伴い、脱力感、筋肉痛、頭痛などの全身症状が現れることがあります。かむのは主に雌だと言われており、雌のおなかには赤色の模様があります。雌の体長は約1センチ、雄は3~5ミリ。香川県では24年、こども園の遊具で4歳男児がかまれる事例がありました。
もし発見した場合は、市町の担当部署に連絡してください。写真などでセアカゴケグモと判別された場合は、市町や県の職員が現地に赴き調査を行います。
■新規確認が今治市で増加
県内で初めて発見されたのは14年、場所は愛南町でした。以来、四国中央市、新居浜市、西条市、今治市、松山市、八幡浜市、砥部町で確認されています。工事現場の資材や家電などの人工物に営巣することも多く、物流が活発な東中予で多く見つかる傾向があります。
18年までは年数件くらいの確認にとどまっていましたが、19年に新居浜市で発見が相次ぎ集中的な調査・防除が行われました。23年末までの累計確認地点数は35地点で、うち2地点が定期的なモニタリング対象です。
ところが24年は様相が違いました。これまで年平均3・3地点くらいだった新規確認地点数が、この年だけで29地点に上ったのです。うち17地点が今治市でした。