都市部で増えるアライグマの実態!知られざる危険と予防策を徹底解説

 近年、日本の市街地や郊外でアライグマの目撃情報が増加しています。アライグマはもともと北アメリカ原産の動物ですが、ペットとして輸入された後、野生化した個体が繁殖して広がっています。可愛らしい見た目とは裏腹に、アライグマはさまざまな問題を引き起こしています。

アライグマとは?

 アライグマは中型の哺乳類で、特徴的な縞模様の尾と「仮面」とも呼ばれる目の周りの模様で知られています。雑食性であり、高い知能と適応力を持つため、都市部や郊外でも容易に生息できます。もともと日本には生息していませんでしたが、ペットとして輸入された個体が逃げ出したり放棄された結果、野生化して繁殖するようになりました。

アライグマが引き起こす問題①自然環境への影響

 アライグマの増加は、日本の生態系に大きな影響を及ぼしています。

・希少種への脅威:雑食性のアライグマは、農作物や果樹を荒らすだけでなく、トウキョウサンショウウオなどの在来種を捕食し、希少な生物の生態系を脅かします。

・繁殖の妨:野鳥の巣を襲うことで、繁殖を阻害し、メジロやウグイスなどの鳥類の数が減少する恐れがあります。

アライグマが引き起こす問題②人間社会への影響

1.ゴミ荒らしや建物の損壊

 アライグマはゴミをあさったり、住宅の屋根裏や倉庫に侵入して住み着くことがあります。その結果、以下のような被害が発生します。

・ゴミの散乱による衛生面の悪化

・屋根や壁の損壊

・騒音や悪臭による生活環境の悪化

2.農作物への被害

 農家にとってもアライグマは厄介な存在です。トウモロコシやスイカ、果樹などを食い荒らし、大きな経済的損失をもたらします。

アライグマが引き起こす問題③感染症のリスク

 アライグマは複数の病原菌や寄生虫を保有しており、人間やペットへの感染リスクが問題視されています。

・主な感染症:狂犬病、サルモネラ症、疥癬、アライグマ回虫症など。

・マダニの媒介:マダニを通じて、ライム病や重症熱性血小板減少症候群(SFTS)といった深刻な感染症が拡大する可能性があります。

 アライグマが都市部に出没することで、これらのリスクが増加し、特に小さな子どもやペットがいる家庭では注意が必要です。

アライグマの被害を減らす方法

1.適切なゴミの管理

・ゴミはしっかりと蓋が閉まるゴミ箱に入れ、アライグマがアクセスできないようにしましょう。

・ゴミ収集日の朝に出すなど、ゴミを外に放置する時間を短くする工夫も効果的です。

2.住宅の点検と修理

・屋根や壁に隙間がないか確認し、侵入される可能性がある場所は早めに修繕してください。

・アライグマが住み着かないよう、屋根裏や倉庫の出入り口に防護ネットを設置しましょう。

3.ペットと自身の健康管理

・ペットには定期的にダニ予防薬を使用しましょう。

・アライグマが多く出没する地域で屋外活動を行う際は、長袖・長ズボンを着用して、マダニとの接触を避けてください。

アライグマを目撃したら

 アライグマは外来種であり、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすことから「特定外来生物」に指定されています。特定外来生物を許可無く飼うことや生きたまま運搬、保管はできないことから、不用意に捕まえず行政機関に連絡しましょう。神奈川県では、アライグマの生息情報を集めるため、アライグマを目撃したら環境省運営のWebサイトいきものログへ投稿して欲しいと呼び掛けています。(参考:神奈川県 アライグマを見つけたら)

まとめ:アライグマの増加とその影響

 アライグマは元々日本には生息していませんでしたが、人間によって持ち込まれました。アライグマ自体に罪はなく、これは人間の責任です。しかし、アライグマは気性が荒く凶暴であり、生態系に悪影響を及ぼし、農作物に被害を与えることもあります。アライグマの増加とその影響を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

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