「いるはずのないカメムシ」がテレビに映っていた…研究者驚き 青リンゴの匂いがする?外来種「マツヘリカメムシ」とは

 いるはずのない「カメムシ」が、テレビに映っていた―。 今年、各地でカメムシが大量発生していますが、BSS山陰放送のニュース番組でカメムシ大量発生のニュースを放送したところ、そこに、本来いるはずのないカメムシが映っていたことが分かりました。

 テレビを見ていて驚いたという博物館の学芸員が番組へ連絡してくれたのですが、そのカメムシ、なんと「青リンゴ」の匂いがするそうです。

 鳥取県日南町にある、とあるお宅で撮影された写真。

 ちりとりの中に入っている、一見枯れ葉のようなもの…実は、これら全て「カメムシ」です。数百匹捕れたそうです。

 また、家の中でも…

「いっぱいおるわ、くっさ、めっちゃくさいな」

 そしてこちらは、窓にびっしり。その数50匹以上です

「おるおる、気持ちわる」

 鳥取県日南町で今年、カメムシが大量発生しているという話題を、11月13日のBSS山陰放送のニュース番組「テレポート山陰」でお伝えしました。

 そして、このニュースを見た専門家が、あるシーンに驚きました。

鳥取県立博物館 鶴智之 学芸員
「まさか報道の映像の中から、そういう新発見が出るというのは思ってもいなかったです」

 新発見だという、そのシーンがこちら…

谷口篤史 記者
「いました、いました、バス停の壁にほら、カメムシ!中にもいますよ」

 このシーンでカメラがアップで捉えたこちらのカメムシ。私たちがいつも見ているカメムシと少し違うことに気付きませんか? いつものカメムシより、何だか細長い体つきです。

鳥取県立博物館 鶴智之 学芸員
「何か違う種類のカメムシが映っていたように見えました。どうもそれが、外来種のマツヘリカメムシというカメムシなのかなと思ったんです」

「マツヘリカメムシ」とは、どんなカメムシなのでしょうか。

鳥取県立博物館 鶴智之 学芸員
「2008年に東京に入ってきて、その後日本各地で分布を広げているカメムシです。これまで鳥取県内では鳥取市内を中心に数か所で発見されていましたが、まさか県東部ではない、鳥取の西部、それも一番西の端の日南町で、そんな映像が撮られているとは思わなかったので、すごくびっくりしました」

 鳥取県では2019年に初めて発見され、記録に残っている中で県内で発見された場所は、鳥取市内を中心に、鳥取県東部の数か所のみ。 ですが今回、鳥取県の西の端で発見され驚いたというわけです。

鳥取県立博物館 鶴智之 学芸員
「東部から中部、それから西部。鳥取の西の端までということなので、県内全域にこの外来種のカメムシが広がってしまったのかなということが言えると思います」

 そして、このマツヘリカメムシには、ある変わった特徴があるそうです。

鳥取県立博物館 鶴智之 学芸員
「カメムシは一般的に嫌なにおいではあるんですけど、このヘリカメムシの仲間に関しては、青リンゴみたいな香りがするという人もいます。 私も何度か触ってにおいを出されたことがあるんですけど、確かには青リンゴではあるんです。けどもっと青臭い強烈な香りといいますか、ちょっといい香りとは言い難い感じですね」

 青リンゴだけど、やはり臭いというマツヘリカメムシ。

 今回の発見に学芸員は…

鳥取県立博物館 鶴智之 学芸員
「外来種のカメムシということで、新しい場所で発見されることは喜ばしいことではないんですけれども、これから対策をしていくなどを考えた上では、新しい情報をいただけて非常に嬉しかったかなと思います。 これからもテレビとこういう連携ができていければいいかなと思いますね」

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