クロウサギなど希少動物を捕食する奄美大島のノネコ 1月末時点で86匹捕獲 22年度

 環境省は9日、鹿児島県の奄美大島にすむ野生化した猫(ノネコ)の捕獲状況の検討会を奄美市で開き、2022年度の捕獲数が1月末時点で86匹だったと明らかにした。18年7月の開始以来の合計数は405匹。

 22年度は前年度よりエリアを拡大し、島の59%に当たる424平方キロメートルで実施した。捕獲数は前年度の124匹を下回る見込み。同省奄美群島国立公園管理事務所の阿部愼太郎所長は「生息密度が下がったエリアが拡大している」と話した。

 同省は、捕獲エリアを23年度までに島全域へ広げる目標を2年後の25年度に後ろ倒すとした。予算や人員確保が遅れているため。23年度は奄美市名瀬西部の49平方キロメートルを作業範囲に加える。27年度までに島全体で生息数の低密度化を達成する目標は維持する。

 ノネコは国の特別天然記念物アマミノクロウサギなどの希少動物を捕食する。奄美大島の山中に600~1200匹生息していると推定される。

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