サクラ枯らす外来昆虫駆除 群馬県が警戒システム 発見者はスマホで

 サクラなどに寄生して枯らしてしまう特定外来生物のクビアカツヤカミキリが群馬県内で生息域を急拡大しているとして、県は被害木を見つけた人がスマートフォンで場所などの情報を入力するシステム「ぐんまクビアカネット」を開始した。被害情報を広く集め、早期の駆除につなげる狙いがある。【田所柳子】

 中国やモンゴルなどが原産。成虫は2~4センチで、光沢のある黒色の体に赤い胸部が特徴。1匹のメスが1000個も産卵することもあり、幼虫はサクラやモモなどバラ科の幹の中に2~3年もとどまり、内部を食い荒らすため、木が枯死する場合がある。

 県内では2015年に初めて被害を確認。被害木は17年に682本だったが、21年度に太田市、館林市、大泉町など12市町で6909本となり、4年で10倍に急増した。県では東毛地域以外にも広がっているとみて、7月から被害の通報システムを開始した。

 被害木の幹には数センチの穴があったり、木くずが混ざった幼虫の特徴的なフン(フラス)がついていたりする。発見した人は穴やフンを撮影し、スマホやパソコンでシステムに接続。発見した日時や木の種類、場所を入力し、写真を添付する。県内での被害状況を閲覧することもできる。

 県担当者は「なるべく早期に新たな被害を確認し、駆除につなげたい」と話す。被害木は、農薬による駆除が可能という。

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