長雨が影響? 不快害虫ヤンバルトサカヤスデ 今年は早く大量発生 鹿児島市

 鹿児島市内各地で例年より早く、不快害虫のヤンバルトサカヤスデが大量発生し、市民を悩ませている。市が市民に無料配布している駆除剤も本年度、4~7月は約3770袋配り、前年同期比2倍に急増。8月は16日時点で約4600袋を超えている。

 市環境衛生課などによると、ヤンバルトサカヤスデは台湾原産の外来生物で、成虫は体長3~4センチの褐色。落ち葉などを分解し農作物や人に被害は与えないが、繁殖力が強く、集団移動して外壁を上ったり家屋に侵入したりするため、不快に思う人が多い。

 市内は2003年に吉田地域で確認されて以降生息地が広がり、現在は郡山と桜島の両地域を除く全域に拡大している。

 活動は例年9~12月に活発化するが、今年は2カ月ほど早い7月頃から市内各地で散見された。「駆除できないか」といった市への相談は4~7月で245件に上り、前年同期比2.4倍になった。

 8月上旬の長雨以降に、集団発生を見かけるようになったとの声も相次ぐ。生態に詳しい県ヤンバルトサカヤスデ対策検討委員の牧村薫さん(72)は、雨が大量に降ると流されるのを嫌って、山から人家そばなどに移動する傾向があるとし「長雨と、活動が活発化する成虫になる時期が重なったことが、8月上旬の目撃増につながった」とみる。

 市は多発地域で駆除するほか、住居侵入防止に、希望者へ本庁や各支所で、駆除剤を原則1カ月に1回無料配布している。液剤用の噴霧器も貸し出している。  個人宅は各戸対応を原則としているが、駆除が難しい高齢者や障害者については「相談を受けた上で対応を検討したい」としている。

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