国内未確認の外来種バッタ、高校生らが発見 船で日本に?環境への影響調査 神戸

 神戸市東灘区の市立六甲アイランド高校の生徒と教諭が国内で生息してない外来種のバッタを学校近くで見つけた。専門家らが確認し、昆虫の専門誌「月刊むし」の1月号に掲載された。生徒らは、環境に及ぼす影響などを調べるという。


 自然科学研究部員の池田鈴姫(すずね)さん(18)と顧問教諭の釜谷尚史さん(39)、岩本哲人さん(65)ら5人が2020年8月に見つけた。同校近くの汽水池で水質調査をした帰り道、歩道脇の草むらに、鮮やかな緑色で体長約8センチの虫を釜谷さんが発見。池田さんも「見たことがない」と驚き、岩本さんはスマートフォンで撮影した。網で一度は捕らえたものの、大きく飛び出して、逃げてしまった。
 岩本さんが、スーパーサイエンスハイスクールの同校で特別講義を担う横川忠司(44)さん=尼崎市=に「虫の名前を調べてほしい」と相談。昆虫の著書もある横川さんは文献を調べ、複数の専門家に尋ねて、東南アジアを中心に生息するバッタ科ツチイナゴ亜科の昆虫(学名・Chondracris rosea)で国内の未確認種と判明した。海外では、このバッタによる綿やイネなどの農業被害が出ているという。
 同校は神戸港のコンテナヤードに近く、外来種のバッタは船で日本に運ばれてきた可能性が高いという。その後、見つかっていないため、横川さんは「より多くの目での監視が必要」と考え、岩本さんと連名で「月刊むし」に報告文を寄せた。記事は「今後は農業被害のほか、神戸市周辺での発生や定着、市外への分散などの動向に注視すべき」と指摘。近畿地方環境事務所(大阪市)も「情報収集を進めたい」としている。
 自然科学研究部では調査を続ける予定で、部長の鈴木雄大さん(17)は「神戸までの移動経路を調べ、産卵していれば幼虫の段階で見つけて捕獲するなど活動を進めたい」と話している。【木田智佳子】
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