淀川水系に釣り糸噛み切る怪魚、ワイヤーで捕獲したその正体

 京都府八幡市にある淀川水系の木津川で8月1日、釣りをしていた住民が大型の外来魚「レッドコロソマ」を釣獲。現在、特別展『知るからはじめる外来生物』を開催中の「大阪市立自然史博物館」(大阪市東住吉区)に寄贈され、展示されている。


 これまで琵琶湖や新潟県などで採集された記録があるものの、淀川水系で見つかったのは初めてとなるコロソマ類。見た目はピラニアに似た大型淡水魚で、最大1メートル近くにまで達するという。
 原産は南米のアマゾン川流域で、観賞魚としてペットショップなどで販売されているこの魚。肉食性のイメージの強いピラニアとは異なり、貝類や昆虫、落ち葉などを食べるという。
 同館は、「今回釣獲されたのは全長45センチほど。熱帯域に生息する魚であるため、野外で冬を越したとは考えにくく、また頭部の前方に傷があり、尾びれもすり切れていたことから、飼育されていた個体が比較的最近、放流されたものと思われます」と説明する。
 釣獲したのは八幡市に在住の男性で、ザリガニを餌にして釣り上げたとのこと。硬い物を噛み砕く強い歯を持っているため、テグスでは何度も噛み切られ、ワイヤーにしてようやく釣り上げることができたという。
 男性は長年同じ場所で釣りをしていたが、初めて見た異様な魚に驚き、すぐに同博物館の魚類担当である松井彰子学芸員に連絡。翌2日に、博物館へと引き渡すことになった。
「現在も元気にしており、特別展の会期中は展示する予定です」と松井学芸員。
 会場には、ほかにもチャネルキャットフィッシュやグッピーなどの外来生物も展示。期間は8月30日までで、チケットは大人500円、高大生300円、中学生以下無料。
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