実は生態系を脅かす外来種も タンポポの秘密

 春になると道端や芝生など様々なところで見かけるタンポポ。ぱっと見で見分けることは難しいですが、実は日本国内だけでも20種類以上も自生しているのです。


 今回は、その見分け方や意外な秘密をご紹介します。
「セイヨウタンポポ」と「ニホンタンポポ」
提供:ウェザーニュース
 タンポポの種類を見分けるのはとても難しいのですが、大きくは「セイヨウタンポポ」と「ニホンタンポポ」に分けられます。
 その名の通り、セイヨウタンポポはヨーロッパ原産の外来種で、ニホンタンポポは日本に古来から生育していた在来種。
 2つの違いは、花の下、「緑の部分」の総苞片(そうほうへん)で見分ける事が出来ます。
 ・セイヨウタンポポの総苞片は「そりかえっている」
 ・ニホンタンポポの総苞片は「そりかえっていない」
 見つけたら、ちょっと花びらの下を見てみれば分かりますね!
実は「生態系被害防止外来種」!?
 寒い時期に咲いたり、コンクリートの割れ目や都会の乾いた地面などで咲いているタンポポを見ると、「なんて健気なんだ…」と応援したくなりますよね。でも、可愛らしいばかりではないようです。
 春に咲くイメージがあるタンポポ。確かに、ニホンタンポポは春に一度だけ咲きます。また、適度に湿っている良質な土壌を好むため、あまり都心で見かける事はありません。
 一方、セイヨウタンポポは生命力が強く、開花時期は3月〜10月に繰り返し何度も咲きます。中には、冬の寒い時期でも咲く花も。
 また、荒れ地や道路、住宅地のようにあまり草花が映えないような乾いた土壌を好んで生息しています。
 この強さゆえ、外来性タンポポ種群は環境省「生態系被害防止外来種リスト」などに選定されています。
 ただ最近では、セイヨウタンポポとニホンタンポポでは、好みの環境が異なるために、うまく住み分けされていると考えられています。
 これからはますます暖かくなり、セイヨウタンポポとニホンタンポポの両方が咲く季節。外来種も在来種も可愛らしい花である事には変わりありません。お子さんと一緒に、見分け方やそれぞれの違いなどを話しながら、観察してみるのも楽しいかもしれませんね。
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