「生きた化石」15匹を密輸疑い ペット店経営者ら逮捕

  豪州原産の古代魚オーストラリアハイギョを密輸したとして、警視庁は、動物輸入卸業宮田守(44)=東京都板橋区中台1丁目=、ペット店経営古山重幸(33)=横浜市戸塚区俣野町=両容疑者を外為法違反(無承認輸入)の疑いで逮捕し、9日発表した。


 オーストラリアハイギョは愛好家の間で、約4億年前からほぼ同じ姿のままの「生きた化石」として人気があり、末端価格は稚魚でも1匹20万円以上するという。一方、豪州が輸出を厳格に管理し、ワシントン条約でも国際取引が規制されており、警視庁は密輸が横行しているとみて警戒を強めている。
 生活環境課によると、2人は昨年11月、経済産業相の承認を得ずオーストラリアハイギョ15匹をインドネシアから輸入した疑いがある。調べに「手続きの手間を省き、安く仕入れるためだった」と供述しているという。同国で養殖された個体を、取引先の現地業者を通じて航空貨物として羽田空港へ運び、税関には取引に規制のないアフリカハイギョと申告していた。もともと外見が似ているうえ、見分けがつきにくい稚魚だったという。
 警視庁は古山容疑者の店で10匹を押収し、残る5匹を静岡市のペット店が仕入れたことを確認。同店内からほかに古代魚ガーとワニガメが見つかったことから、経営者の杉山勝紀容疑者(44)=静岡市清水区楠=を特定外来生物法違反(飼養などの禁止)などの疑いで逮捕した。
 オーストラリアハイギョは、えらとは別に肺も持つ「肺魚」の一種。50年以上生き、1・5〜2メートルほどに成長する。
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