2005年12月22日

カワウの行動 衛星使い追跡 環境省 琵琶湖など漁業被害対策

 琵琶湖の漁業に深刻な影響を与えているカワウの被害を食い止めようと、環境省がGPS(衛星利用測位システム)の発信器や足輪をカワウに取り付け、全国的な移動実態を解明することになった。研究費1400万円が、2006年度政府予算の財務省原案に計上された。

 環境省や滋賀県によると、カワウは1970年代には全国で約3000羽しかいなかったが、80年代以降に急増。滋賀県では、竹生島(びわ町)や伊崎半島(近江八幡市)に約3万5000羽生息しており、1年間に漁獲量(約2100トン)に匹敵する魚をえさにしていると推計されている。ふんによる樹木の枯死などの問題も指摘されている。
 現在は滋賀県のほか、岐阜県が長良川で、栃木県が那珂川で個別に「追い払い」を行っている。しかし、広域的に移動するカワウの実態を関係都府県で共有しないと効果的な対策が立てられないため、環境省が今回の取り組みを決めた。
 同省は近く、滋賀、京都、岐阜など近畿・中部の15府県、関東の10都県でそれぞれカワウ対策の広域協議会を設立し、来年度以降、季節や昼夜の移動実態をGPSや足輪で確認する。
 「例えば、冬に特定地域に多く集まっていることが分かれば、効果的に対策をとることができる」(環境省鳥獣保護業務室)という。ただ、GPSでの確認には、1羽当たり年間約1000万円かかる見込みで、運用に工夫が求められそうだ。
(京都新聞)

+Yahoo!ニュース-滋賀-京都新聞

Posted by DODGE at 2005年12月22日 10:40 in 魚&水棲生物, 自然環境関連

mark-aa.jpg