2005年12月22日

巻き貝 ブルーギル捕食? 滋賀県立大グループ 国内初確認

 琵琶湖に生息する外来魚ブルーギルが、卵やふ化して間もない稚魚の段階で、巻き貝のカワニナ類やヒメタニシに捕食されている可能性の高いことが、滋賀県立大の研究グループの調査で分かった。ブルーギルの産卵床では通常の10-17倍の巻き貝が見つかり、水槽の実験では卵を食べる場面も確認された。貝類による外来魚の捕食は国内では報告されていない。グループは「巻き貝がブルーギルの卵を狙って集まるのはほぼ間違いない。外来魚にも意外な天敵がいた」と驚いている。

 県立大大学院環境科学研究科の中尾博行さん(28)や同大学環境科学部の沢田裕一助教授たちのグループが、産卵期の今年6-8月にかけて、西浅井町の湖岸約100メートルの範囲にあった12カ所の産卵床で調べた。
 カワニナはすべての産卵床で計305匹、ヒメタニシは11カ所で計23匹が確認された。10センチ四方当たりでカワニナが約3.50匹、ヒメタニシが約0.28匹いたことになり、通常の湖底の平均値と比較すると、産卵床で確認した個体数はカワニナが17倍、ヒメタニシは10倍に上るという。
 また、卵のある産卵床では平均約4.63匹の巻き貝が見つかったのに対し、ふ化して稚魚がいなくなった産卵床跡には平均約1.89匹しか確認できなかった。
 研究グループの調べでは、琵琶湖のブルーギルは水深約2メートルまでの浅瀬で、雄が尾びれを振って堆積(たいせき)物をかき分けた直径約20-40センチの産卵床に、雌が数万粒の卵を産む。雄はふ化した稚魚が泳ぎ始めるまでの約10日間、産卵床の周りを泳いで卵を狙う在来魚から卵を守るという。
 中尾さんは「ブルーギルが、産卵床に侵入した巻き貝を攻撃することはなかった。卵の捕食が繁殖に与える影響を解明できれば、外来魚の駆除に役立つかもしれない」と話している。
(京都新聞)

+Yahoo!ニュース-滋賀-京都新聞

Posted by DODGE at 2005年12月22日 10:48 in ブラックバス問題

mark-aa.jpg