2005年08月21日

琵琶湖固有種の「ヨコエビ」激減 低酸素原因か 生態系に悪影響の恐れ

 琵琶湖の湖底付近に生息する固有種「アナンデールヨコエビ」が激減している恐れが強いことが18日、分かった。滋賀県琵琶湖・環境科学研究センター(大津市)が5月に北湖(琵琶湖大橋以北)で実施した調査では、ほとんど確認できず、ヨコエビを餌にしている魚などへの影響も懸念されている。同センターは、湖底の低酸素化が関係しているのではないかとみている。

 ヨコエビの調査は、同センターの熊谷道夫上席総括研究員らがi月11−13日に実施。潜水ロボット「淡探(たんたん)」の水中ビデオカメラで、北湖の水深70メートルより深い場所を撮影した。撮影は2002年から毎年同じ時期に行っており、これまで1000匹以上のヨコエビが確認できたが、今回はわずか37匹しか写らず、しかもその7割以上が死骸(しがい)だった。
 湖底付近は冬季、酸素が豊富な雪解け水が流入することで酸素量を回復させるが、近年は温暖化や降雪量の減少で流入が不十分となり、低酸素化が問題になっている。熊谷上席総括研究員は「おそらく酸素回復は70−80%にとどまっている。そのため湖底にまで酸素供給がされず、ヨコエビが死んだ可能性がある」と推測する。
 ヨコエビの減少は、琵琶湖の生態系にも影響する。ヨコエビはイサザの餌となっており、ヨコエビが減ると、イサザが代わりに動物プランクトンをたくさん食べるようになる。その結果、同じプランクトンを食べるアユとの競合を招き、イサザもアユも減少するという「負の連鎖」を引き起こす、という。熊谷上席総括研究員は10月に再度調査する予定で「原因を早く究明し、対策を検討する必要がある」としている。
(京都新聞)

+Yahoo!ニュース-滋賀-京都新聞

Posted by DODGE at 2005年08月21日 13:35 in 各種イベント, 自然環境関連, 内水面行政関連

mark-aa.jpg