2005年06月01日

ヤリタナゴ:いたぞ! 貴重な藤岡市の天然記念物−−親子連れら観察会 /群馬

 県内では藤岡市でしか生息が確認されていないヤリタナゴの観察会が、同市内の用水路で開かれた。市民団体メンバーの指導を受けながら親子連れらがつかまえて42匹の生息を確認、自然の財産に接しながら環境保護の大切さも学んだ。

 ヤリタナゴはコイ科の淡水魚で10センチ前後に成長する。県のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種1類に指定されているほか、藤岡市の天然記念物になっている。かつては県東部など平野部を中心に各地に生息していた。観察会は保護活動に取り組む「ヤリタナゴ調査会」が主催し、市や関連2団体と協力して00年から続けている。
 同調査会によると、生息地域が藤岡市に残された要因として、生活排水の流入が少ないうえ近くの河川から水を引き込み一定の水質が保たれていること、周辺耕作地がさまざまな事情から整備されることなく用水路がコンクリート改修されなかった点が挙げられるという。ヤリタナゴだけでなく繁殖のため共生関係にあるホトケドジョウとマツカサガイも生息できる環境が残されたと考えられている。
 参加者は網を手にして用水路に入り、約1時間でヤリタナゴ42匹のほか、ホトケドジョウ、タモロコ、ヨシノボリ、トウキョウダルマガエルなどを捕獲。水槽に入れて観察しながら、同調査会メンバーがヤリタナゴなどの生態や生息地域が狭まった背景を説明した。中でもヤリタナゴは産卵期を迎え、雄には「婚姻色」と呼ばれるオレンジ色が体やひれに現れて美しい銀りんを輝かせていた。捕獲したヤリタナゴは、元の用水路に放流された。
 同市立神流小4年の田村直道君(9)は「ヤリタナゴの体がオレンジ色に輝いてきれいだった」と話し、額を水槽にくっつけながら観察を楽しんでいた。【花野井誠】

(毎日新聞)

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Posted by DODGE at 2005年06月01日 06:30 in 魚&水棲生物, 自然環境関連

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