2005年05月16日

移動370キロ 琵琶湖のカワウ 龍大講師ら調査、被害防止で連携

 琵琶湖の竹生島に生息するカワウが、栃木県から広島県まで東西に広い範囲で移動することが、龍谷大の須川恒非常勤講師らの調査で13日までにわかった。移動距離は最大約370キロに達する。アユなどの漁業被害を軽減するには、県内だけで対策を講じても効果が薄いとして、滋賀県は京都府など14府県と連携し、広域的なカワウ対策の検討を始めた。

 調査では、2002年6月と03年6月、竹生島の巣にいるヒナに、巣の所在地と装着日時を識別できるよう足輪を付けた。その後、355キロ離れた広島県廿日市市と、369キロ離れた栃木県真岡市でそれぞれ、同じ足輪が付いた成鳥が見つかった。須川講師は「県外での営巣や繁殖が想定されるため、県内だけで駆除したり、追い払っても、長期的には効果が限られる可能性がある」とみている。
 こうした中、カワウ被害の出ている滋賀など15府県は4月18日、環境省の呼びかけで「中部・近畿カワウ広域協議会」(仮称)の設立準備会を大阪市内で開いた。対策の指針づくりを広域的に進めるのが目的で、今後、生息数や営巣地の位置を把握するため、同協議会で一斉調査を行うことにしている。
 県自然環境保全課は「15府県の中には、これまで対策を講じていないところもあった。県境を越えて対策をとることでカワウの全体数を減らすことができ、県内の被害も効果的に抑えることができる」と期待している。
(京都新聞)

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Posted by DODGE at 2005年05月16日 08:58 in 魚&水棲生物, 自然環境関連

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