2005年05月01日

魚道:設置14.7%だけ、遡上に少なからず影響−−県、32河川で調査 /滋賀

◇639カ所に往来遮断する構造物
 任意で選んだ県内の32河川(16支流を含む)で、堰(せき)や水門など魚の往来を遮断する構造物が639カ所あり、そのうちダムや滝などを越えて上流に魚をさかのぼらせる「魚道」が設置されているのは94カ所(14.7%)にとどまっていることが26日、県の調査で分かった。県の担当者は「魚道設置率の低さが、魚類の遡上(そじょう)に少なからず影響を与えている可能性がある」としている。【小松雄介】

 調査は昨年11月〜今年3月の期間で初めて実施。
 対象河川は▽大川水系2河川▽大浦川水系3河川▽日野川水系7河川などで、調査員が歩いて構造物の位置を調べ、測量、写真撮影をした。
 天野川水系(魚道設置率4.2%)のある調査点では、高さ180センチの段差=写真<上>=が遡上を妨げている。一方、姉川水系(同22.2%)の草野川には高さ162センチの段差=写真<下>=があるが、階段状の魚道があるため魚がさかのぼることができるという。魚道があっても、出入り口に土砂やごみが堆積して機能を十分果たしていない例も確認された。
 また、対象河川の29カ所を選んで投網などで魚類を採集した結果、魚道設置率が24.2%と比較的高い知内川水系の下流では、調査地点の中で最も多い8種類の魚が確認された。
 各地の河川漁業協同組合などへの聞き取り調査で、川の流れが途中で切れて魚の生息に大きな影響を与える「瀬切れ」が、本流16河川のうち▽鵜川▽姉川▽天野川▽犬上川▽愛知川▽日野川の6河川で起きていることも分かった。
 県は調査結果を今後、魚類の河川環境の改善を検討する基礎資料として活用するという。

(毎日新聞)

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Posted by DODGE at 2005年05月01日 11:21 in 魚&水棲生物, 自然環境関連, 内水面行政関連

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