2005年03月26日

ブルーギルが着実に減少 深泥池の外来魚捕獲事業

 深泥池(京都市北区)で研究者と市民が進める外来魚捕獲事業で、ブルーギルの数が着実に減少していることが、京都大防災研究所水資源研究センターの竹門康弘助教授(河川生態工学)らの調査で分かった。一方で、ブラックバス(オオクチバス)の密放流が原因と見られる稚魚の増加もあり「密放流への厳しい対応が必要」という。27日に大阪市である日本生態学会主催の公開講演会「日本の生態系の危機」で報告する。

 深泥池は、北方系と南方系の生物群集が同所で生息する珍しい生態系を形成、国の天然記念物になっている。しかし、1970年代後半に外来魚が侵入、ニッポンバラタナゴなど多くの在来種が全滅したり数が減った。このため98年から京都市の委託を受け、竹門助教授ら深泥池水生生物研究会のメンバーが定期的に外来魚を捕獲し駆除している。
 竹門助教授は、これまでの捕獲状況などからブルーギルとブラックバスの推定数と将来予想をまとめた。ブルーギル(1歳以上)は98年には約9500匹だったが04年には約3200匹に減少。同様の駆除作業を続ければ、10年後には100匹以下と、ほぼ駆除できる見通しという。
 一方、ブラックバス(稚魚含む)は98年は約1400匹で、02年には100匹程度まで減少したが、同年から密放流と見られる成魚がたびたび見つかり、稚魚が再び増えているという。
 また、外来魚の稚魚の減少で、エサとしていた動物プランクトンが増加するに従って植物プランクトンが減少、池の水質が良くなる傾向も見られるという。
 竹門助教授は「昆虫など生物群集全体を見れば、すぐに外来魚の影響を排除できないが、駆除が有効であることを示せた。他の湖沼の先例になるのでは」といい、密放流の取り締まりなど新たな対策を求めている。
 公開講演会は、27日午後1時から大阪国際会議場(大阪市北区中之島)で。無料。深泥池水生生物研究会のホームページ(http://www.jca.apc.org/~non/)
(京都新聞)

+Yahoo!ニュース-京都-京都新聞


日本生態学会主催の公開講演会に関する詳細は深泥池水生生物研究会の+ココ(日本生態学会公開講演会のお知らせ)に掲載されている

Posted by DODGE at 2005年03月26日 11:20 in ブラックバス問題, 魚&水棲生物, 自然環境関連

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