東洋大付属牛久高(茨城県牛久市柏田町)の生徒4人が、特定外来生物の水草「ナガエツルノゲイトウ」にトイレや尿の臭いの元となるアンモニアの消臭効果があることを突き止めた。湿り気を与えることで、市販の緑茶と同等の効果を持続できることを発見。繁殖力の強さから「史上最悪の侵略的植物」と呼ばれ、県内でも農業被害が懸念される厄介者だが、高校生の柔軟な発想で活用の道が開けた。生徒たちは「悪い面だけでなく良い面も見つけ、困っている人を手助けしたい」と声を弾ませる。
■強い生命力
ナガエツルノゲイトウは南米原産の多年草。茎や根の小さな破片からでも再生するほど生命力が強く、水辺を覆い尽くすように繁茂する。水田に侵入すれば稲の生育を妨げ、水路をふさいで排水障害を引き起こす。国内は31都府県に分布。県内では2011年に初確認され、現在は新利根川や霞ケ浦、北浦などに広がっている。
アンモニアの消臭効果を発見したのは、同校公認の研究グループ「SDGs Lab」の「ナガエ班」に所属する3年の阿久根悠祐さん(17)、栗原和沙さん(17)、鈴木花麟さん(17)、西野入美月さん(17)の4人。昨年6月から、放課後や長期休暇を使って実験を重ねてきた。
■材料を採取
実験では、環境省の許可を得て生徒たちが同県河内町の新利根川で材料を採取した。西野入さんは「農家の方から駆除の苦労を直接聞き、何か力になりたいと強く思った」と振り返る。
当初は、しみやそばかすを抑える美肌効果などを調べたが、緑茶など既存の試料には及ばず、思うような結果が出なかった。そこで昨年12月、先行研究をヒントにアンモニアの消臭効果に着目。抽出液を染み込ませたろ紙の「乾燥の早さ」が持続力に影響することに気付き、加湿状態で比較したところ、緑茶とほぼ同等の効果が続くことを発見した。湿度の高いトイレや生ごみ用の消臭剤として、実用性を秘めている。
■商品化模索
3月末には、同県つくば市で開かれた科学コンテスト「つくばサイエンスエッジ」に出場し、研究成果を発表。顧問の片岡佑輔教諭(41)は「失敗しても諦めずに湿度との関係を見つけた。商品化の可能性を示せたのは努力の証し」と教え子をねぎらう。
今後もグループで研究を続け、企業と連携した商品開発を目指す。実用化した商品の売り上げを地域の駆除活動に充て、環境を守る循環型の仕組みづくりも構想中だ。阿久根さんは「今回の消臭効果の発見で、ナガエツルノゲイトウの活用法の可能性には期待しかない」と話した。
