長野県安曇野市の国営アルプスあづみの公園堀金・穂高地区が進める、在来種シナノタンポポの保護活動が10年に達した。抜き取りを続けてきた外来種のセイヨウタンポポが数を減らし、シナノタンポポの群生が見られるようになった。セイヨウタンポポの根は深く、つるはしで土を掘り、一株ずつ抜き取る。地道な作業の積み重ねが、成果となって現れてきた。
平成28(2016)年の「里山文化ゾーン」の開園以来、同ゾーンで毎年4月から5月上旬までのシナノタンポポの開花期に、1~2万株に上るセイヨウタンポポを抜き取ってきた。
調査区の一つでは10年前は30株ほどのセイヨウタンポポが確認されたが近年は1、2株に減った。同じ調査区でシナノタンポポは一時1000株を超えたが最近は数百株に減り、タンポポだけでなく多様な在来種が共存する本来の草地環境が生まれつつあるとみる。
抜き取りは、安曇野シルバー人材センターの会員が担っている。リーダーの小池佳秀さん(73)は「抜き取った場所では、セイヨウタンポポがあまり見られなくなった。公園のお客さんにも『ご苦労さま』と声を掛けてもらえる」とやりがいを話す。セイヨウタンポポは繁殖力が強く、放置すれば在来種は姿を消すか、交雑が進む恐れが強い。公園の担当者の須之部大さん(64)は「10年前は一部でも群生が残ればという思いだった」と成果を喜び「息長く続けていかれたら」と話している。
29日午前10時から、市民の参加を募ってセイヨウタンポポの抜き取り作業を行う。里山文化ゾーンの堀金口に集合する。参加希望者は公園ホームページから申し込む。
