大阪府内で15年間減少を続けていたタンポポの外来種が、再び増加している。市民らで作る「タンポポ調査大阪実行委員会」の2025年調査で明らかになった。近年は在来種の復活が報告されるようになっていたが、なぜなのか。
調査は1975年から5年ごとに実施。自然保護団体や中高生などの協力を得てタンポポを採取してもらい、種類や位置情報、生息する環境などの報告を求めてきた。25年調査には、西日本の6府県が参加。大阪府内では1万3685件のデータが集まった。
在来種のカンサイタンポポは虫による受粉の手助けを必要とし、緑地に生息する。一方、外来種のセイヨウタンポポは受粉しなくても種子を作り出すことができ、土がむき出しになっている場所などで繁殖する。外来種の増加は、地域の自然の減少を表してきた。
調査によると、府内のタンポポの外来種率は05年の70・1%をピークに減少していたが、25年の調査では20年より5・3ポイント増えて64・4%になった。
また、府内を約4平方キロごとに区切り、外来種率を計算。外来種率が40%未満で在来種の方が優勢な地域の割合は、1980年は51%だったが、北部の千里、南部の泉北に整備されたニュータウンの開発などに伴い、05年には12%まで低下した。
05年以降は開発が落ち着いてニュータウンで自然が回復してきたことで、在来種が優勢な地域の割合は23%まで上昇した。しかし、25年調査では再び16%に減少した。
外来種が再び増加したことについて、実行委代表で大阪自然環境保全協会理事の木村進さん(72)は「予想していなかった」と驚く。
明確な理由は不明だが、「泉北ニュータウンでは古い集合住宅の取り壊しや建て替えが進み、外来種の増加が生じている。他の住宅地でも同様のことが起きているかもしれない」と指摘する。新型コロナウイルス禍で停滞していた経済活動が活発になり、工事などが進んだ可能性もあるという。
調査は今回で50年を迎えた。近年は外来種と在来種の「雑種」が増えて判別が難しくなる中、事務局では送られてきたタンポポの花粉を顕微鏡で観察して在来種を見分けたり、専門家にDNA解析を依頼したりするなどして対応してきた。
木村さんは環境問題に関心があり、大学生の時から調査に参加し続けてきた。当初は「外来種に全て置き換わり、調査はすぐ終わるのではないか」と言われたこともあったが、「新しい発見が続き、やめられなくなった」という。
今後、府内のタンポポの勢力はどうなるのか。人口減少が進み再開発が落ち着けば、外来種の増加は続かないのではないかと木村さんはみている。「調査は可能な限り、これからも続けていきたい」
実行委は19日、大阪市中央区大手前1のドーンセンターで調査報告会を開く。参加申し込みは不要。問い合わせはメール(office@nature.or.jp)。【寺町六花】
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