農作物を荒らす、アライグマの去年の山梨県内の捕獲頭数は401匹で、おととしより80匹以上も増えたことが分かりました。
生息域はすでに23市町村に及んでいて、県は捕獲対策を強化する方針です。
北米原産で雑食性のアライグマは農作物や生態系に被害をもたらす「特定外来生物」で、丹波山村や早川町など1町3村を除く県内23市町村に生息域が広がっています。
県によりますと、アライグマの捕獲頭数は右肩上がりとなっていて、去年は401頭で前の年から約80頭も増えました。
2日に開かれた市町村の担当者らを集めた講習会で、専門家は果樹栽培が盛んな山梨では被害が拡大しやすく、実際に峡東地域で捕獲されたアライグマは栄養状態が良いことを明らかにしました。
このため、出産期にあたる春先にメスを捕獲して、個体数を抑えることが効率的な方法だと説明しました。
帝京科学大学 生命環境学部 加古敦子 研究員
「子どもを産む場所、空き家や納屋など、繁殖にすごく適している場所が絶対に各地域にあるので、そういう地点を探していくということが雌を獲れる効果的な捕獲ができるポイント」
一方、県は人間の生活圏に出没したクマを駆除する「緊急銃猟」を想定した県内共通のマニュアルを策定する方針を示しました。
今月から始まった「緊急銃猟」制度は、市街地にあらわれたクマの駆除について、従来の制限にとらわれず、市町村長の判断で猟銃を使うことができる制度です。
県のマニュアルは市町村を支援するため、役割分担や連絡体制、避難の方法など標準的な対応例を示すもので、年度内の策定を目指します。
県は「緊急銃猟」を想定した訓練も実施する方針で、必要な予算を県議会に計上しています。
