カエル調査隊になろう シロアゴガエル侵入防止へ講習 鹿児島県奄美大島

 鹿児島県奄美大島への侵入が警戒されている特定外来生物シロアゴガエルについて学ぶワークショップが19日夜、同島大和村の奄美野生生物保護センターであった。親子連れなど約40人が参加。館内で在来のカエルとの見分け方などを学んだ後、屋外で鳴き声を使った調査を体験。島の生態系を守るために、身近な自然に目と耳を向けることの大切さを学んだ。

 シロアゴガエルは東南アジア原産。体長5~7センチ。体は全体的に茶色みを帯び、白い上顎や指先の大きな吸盤が特徴。雄は「ギィ、グィ」と鳴く。卵は泡状の物質に包まれる。

 奄美群島では2013年に与論島、23年に徳之島で初確認。侵入により、生態系のバランスの変化や新たな寄生虫の感染などが懸念されている。

 ワークショップは環境省の事業で、奄美海洋生物研究会の木元侑菜さん(34)と同省奄美群島国立公園管理事務所の山本以智人さん(42)が講師。

 木元さんは奄美群島内に生息する9種の在来のカエルやシロアゴガエルの生態などを紹介した後、実際に冷凍標本や在来の生きたカエルを手に取って見せた。

 山本さんは鳴き声に反応して鳴き返す習性を利用したシロアゴガエルの生息調査、捕獲、泡巣の回収作業など徳之島での対策を紹介。資機材や観葉植物に紛れ込んで持ち込まれた県外での事例なども伝えた。

 参加者らは屋外で、録音されたシロアゴガエルの鳴き声を響かせ、反応がないことを確認。池の周りを歩いて、リュウキュウカジカガエルなどを観察した。

 大和村の小学2年男児(8)は「カエルがどこにいるとか、どんな模様をしているかなどが分かった」と笑顔。

 木元さんは「徳之島ではシロアゴガエルを地元の人が発見した。早期発見が島全体を守ることにつながる。耳を澄ますなど新たな観点で島の自然に触れて楽しんでほしい」と語った。

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