【北部】1981年ごろに食用目的で持ち込まれたとされるジャンボタニシ(スクミリンゴガイ=リンゴガイ科)のピンク色の卵が、成長した緑の稲に付着しているのが金武町や恩納村、名護市、大宜味村、国頭村など北部の水田や湿地帯などで14日、確認された。農林水産省の資料によると「PV2」という神経毒があるとされており、絶対に触ってはいけない。
毒々しいピンク色の卵の一つは直径およそ2ミリ。約2〜4センチの塊になっている。卵は産卵から時間がたつと白っぽくなり水中でも死ななくなるといい、濃いピンク色のうちに水中に落とすと駆除できるという。
ジャンボタニシは中南米原産の淡水性の巻き貝で、環境省や農水省が定めている「生態系被害防止外来リスト」や国際自然保護連合の「世界の侵略的外来種ワースト100」に入る、水田作物を食害する害虫。
ジャンボタニシの成貝の大きさは約5センチ。成長した稲が成育過程で親茎から新たに茎が分岐して増える前に産卵していると思われる。田んぼの水を抜くと成貝は泥の中に潜り、姿は見えなくなる。
名護市内の水田では成貝や稚貝も多く観察できた。田んぼ周辺を回り、ピンクの卵がなかったのは北部15カ所のうち4カ所だった。
名護市内の50代の稲作農家の男性によると「ジャンボタニシは稲を植え付けて15日から30日の間の若い芽を食べたり、産卵したりする。その時期は田んぼの水を浅く入れる工夫をしている」と説明。その上で、「収穫した稲には影響はない。ピンクの卵やタニシを見つけても絶対に触らないで」と注意を呼びかけた。(玉城学通信員)