大きな口に鋭い爪…特定外来生物「カミツキガメ」の捕獲始まる 千葉・印旛沼周辺

 千葉県の印旛沼周辺で繁殖している特定外来生物「カミツキガメ」の捕獲作業が16日、同県佐倉市で報道陣に公開された。

 カミツキガメは北米などに生息する大型のカメで、太く鋭い爪や、突起のある長い尾が特徴。漁業被害に加え、固有の生態系への影響や人への危害が懸念されている。印旛沼周辺では昭和53年に初めて確認され、その後、発見数が増加してきた。

 この日は県職員らが佐倉市内の農業用水路に前々日に設置した15基のわなを確認した。

 引き上げたわなに入っていたカミツキガメを取り出すと、驚いたカメは首を左右に振りながら口を大きく開き、威嚇しているようにも見えた。職員はすぐさま年齢や雌雄を判別し、密閉容器に収容。計4匹を捕獲し、そのうち最大だったのは背中側の甲羅の長さが23センチほどの14歳の雌のカメだった。

 県は平成19年度に捕獲を開始。ピーク時の平成27年度には印旛沼周辺に1万2769匹(推計値)が生息していた。昨年度末時点で生息していたのは7633匹(同)で、個体数は減少傾向にある。今年度は1800匹以上の捕獲を目指し、カメが活動的になる6~7月に集中的に捕獲を行うとしている。

 県生物多様性センターの金城芳典室長は「もし見つけても自分で捕まえようとせず、県や市町村に連絡してほしい」と呼びかけている。(文・写真 鴨川一也)

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