京都府は2日、特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の成虫と被害を受けた木が、福知山市三和町上川合、岼両地区で確認されたと発表した。サクラの天敵とされ、府北部での確認は初めて。府は被害の拡大防止のため、成虫を見つけた場合はすぐに捕殺し、被害木には拡散防止対策をした上で府へ通報するよう呼びかけている。
クビアカツヤカミキリは体長2・5センチ~4センチ。全体に光沢のある黒色で首の部分が赤い。人への害はないが、サクラやウメ、モモなどバラ科の樹木に付き、枯死するまで食い荒らす上、非常に強い拡散力を持つ。
6~8月にかけて成虫になり、樹木に卵を産み付けると、ふ化した幼虫が樹木の内部を食べて衰弱させる。その際、幼虫のフンと木くずが混ざった「フラス」が大量に発生する。
2012年に愛知県内で国内第1号が確認されて以降、全国に広がっており、府内では今年7月6日に京都市西京区と向日市でそれぞれ成虫1匹を初確認。同16日に同区で成虫1匹と被害木1本が見つかっていた。
■府の調査で成虫17匹 被害木14本を発見
府によると、三和町で発見されたのは成虫17匹とサクラなどの被害木14本。同31日に目撃情報が寄せられ、府職員が1日に現地調査を行い、成虫はその場で捕殺し、被害木には拡散防止のために防風ネットを巻き付けた。
クビアカツヤカミキリが一度に飛ぶ距離は20~30メートルほど。直近で確認された京都市内からは50キロ以上離れているため、府は「幹線道路を走る自動車などに付いて移動した可能性もある」と推測する。
■見かけたらすぐ捕殺して連絡
もしクビアカツヤカミキリを発見した場合は、飛んで逃げる可能性があるため、すぐにその場で捕殺してから府の担当課に連絡する。
府は「成虫が確認された以上、早期の対応が必須で、ここで食い止めなければさらに被害が広がる可能性が高いと考えられる。サクラやモモの木などは自宅に植えておられる方もいると思うので、みなさま一人ひとりに注意を払ってもらいたい」と協力を呼びかけている。
問い合わせ、発見の連絡は府自然環境保全課、電話075(414)4706へ。