栃木県農業試験場は、ホームセンターなどで販売するブラックライトを使って、特定外来生物クビアカツヤカミキリの卵を簡単に見つけられることを突き止めた。紫外線を当てると卵が光ることを利用。日中の園地でも、日陰なら卵が光るのを確認できる。発見した卵はつぶして駆除することを勧める。薬剤散布などと組み合わせ、同害虫の防除に役立ててもらう。
同試験場は「成虫が発生する6月上旬以降に探し始めるのがいい。ブラックライトは球数が多い方が使いやすい」(病理昆虫研究室)という。
同害虫は繁殖力が強く、1匹の雌が薄黄色のごま粒大の卵を数百個産む。樹皮の隙間に産むため発見は難しく、幼虫が樹木の内部を食い荒らして排出する木くずとふんの混合物(フラス)が発生するまで、被害に気が付きにくい。
卵を見つけた場合はカッターナイフなどでつぶすと発生数を減らせる。同試験場は、全て除去できない場合でも「多く産み付けられた木に徹底した対策ができる」と指摘。「成虫への薬剤散布や被害樹の伐採、フラスを基に見つけた幼虫の駆除などをしてほしい」と話す。
〈ことば〉クビアカツヤカミキリ
幼虫が桃や梅、桜といったバラ科の樹木の幹の内部を食い荒らし、木を弱らせて枯らす。成虫の活動時期は6~8月ごろで、幹や枝の樹皮に産卵する。環境省によると今年3月末までに13都府県で発生している。