奄美大島にだけ生息の絶滅危惧種「危機的状況から脱した」 リュウキュウアユ2.3万匹、前年と同水準 鹿児島大など調査

 鹿児島大学や琉球大学でつくる「奄美リュウキュウアユ保全研究会」は24日、鹿児島県奄美大島だけに生息する絶滅危惧種リュウキュウアユの2022年の個体数は前年比12%減の2万3271匹と発表した。過去5年で2番目に多い。近年は冬季の海の水温が低く、生まれてすぐの稚魚の生存率が高いとみられる。

 11月11~13日、産卵する親の数を11河川で調べた。最多は奄美市住用の役勝川で1万8009匹(21年2万2057匹)。減少したものの「前年と同水準で生息状況は良い」という。昨年できなかった夏季の遡上(そじょう)調査では12河川で2万5193匹を確認した。

 鹿大水産学部の久米元准教授(48)は「4000匹まで減った17年の危機的状況から脱した。長期的に調査して見守りたい」と話した。

 リュウキュウアユは1970年代に沖縄で絶滅し、環境省レッドリストで絶滅の危険が極めて高い絶滅危惧ⅠA類に分類される。

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