仙台市宮城野区の与兵衛沼で、釣り糸が絡みついて苦しそうだったオオハクチョウの幼鳥が、県仙台地方振興事務所の自然保護委員によって糸を外され、元気な姿に戻った。
釣り糸が口や首に複雑に巻き付いた幼鳥を救おうと、25日午後3時半ごろ、自然保護委員の武田修さん(70)が岸辺から米をまいて捕獲を試みた。偶然、幼鳥は仲間のハクチョウにつつかれ、陸に上がってきた。
「今しかない」。傷つかないように抱え込んだところ、たまたまその場を通り掛かった男女3人の市民が加勢してくれた。武田さんのはさみで糸を切り離し、口の健康状態を確認して沼に放した。
武田さんは「皆さんの協力で糸を外すことができた。元気に動き回る姿を見てほっとした」と話す。
警戒した様子を見せていた幼鳥は26日の朝には餌をついばむなど、落ち着いた様子だった。