2005年12月23日

琵琶湖水環境ビジョン検討委:誰もが水環境に取り組もう−−県が設置/滋賀

 琵琶湖や水環境について県民や事業者など誰もが共有して取り組む「ビジョン」をつくろうと、県は有識者や県の担当者で「琵琶湖水環境ビジョン検討委員会」を設置した。自然と人間とのあるべき関係や、そこに至る過程を示して実践につなげていこうという試み。対立する立場も含め、幅広い意見の集まる場にしていきたいとしている。

 16日に開かれた第1回会合では、座長に津野洋・京都大教授を選出し、全体イメージを話し合った。津野座長は「琵琶湖の状態は見かけ上、横ばいだが、数値に表れていない変化もある。状態維持や改善は難しくなってきている」と対処の必要性を提示。出席委員からは、琵琶湖の水質にとどまらず、自然と共に生きる個々人や地域ごとの暮らしぶり、市街地での水循環や県全体での物質循環などを考えていくべきだとする意見が次々に出された。
 今後の議論の進め方やビジョンの運用を巡っては「身体感覚のような(表に出てきにくい)“意見”をどう聞いていくか」(嘉田由紀子・京都精華大教授)、「絵に描いた餅でなく実際に動くように(問題状況や目的、対処法を確認・評価しながら進めていく)“プロセス化”が必要」(芳賀裕樹・琵琶湖博物館主任学芸員)といった指摘が出た。
 年度内にビジョンの素案をまとめ、06年9月策定を目指す。意見集約の方法などは検討段階だが、山仲善彰・県琵琶湖環境政策室長は「既にある『マザーレイク21計画』は行政がつくったもので、琵琶湖を大事にしましょうというところにとどまっている。湖との関係をもっと豊かにしていきたい」と意欲を示している。【森田真潮】12月22日朝刊(毎日新聞)

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Posted by jun at 2005年12月23日 18:36 in 内水面行政関連

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